再生医療はもう受けられる?知っておきたい病院の話
「再生医療って、まだ未来の話でしょ?」と思っている方も多いかもしれませんが、実はすでに日本で受けることができる治療法もたくさんあります。ただし、その中身は様々で、大きく二つの種類に分けられることを知っておくのが大切です。一つは、国が「医薬品」や「医療機器」として有効性と安全性を厳しく審査し、承認したものです。これらは健康保険が適用される場合が多く、例えば重度のやけどの際に自分の皮膚細胞から作ったシートで皮膚を再生する治療や、交通事故などで欠けた膝の軟骨を自分の軟骨細胞で再生する治療、重い心臓病に対して自分の足の筋肉の細胞シートを心臓に貼る治療などがこれにあたります。これらは、大学病院など特定の医療機関で受けることができます。もう一つが、「自由診療」として行われる再生医療です。これらは、美容目的で肌の若返りを図る治療や、変形性膝関節症の痛みを和らげるために自分の血液成分(PRP)を注射する治療など、多岐にわたります。自由診療の場合、費用は全額自己負担となり、医療機関が独自に価格を設定するため高額になることもあります。ここで重要なのが、日本では「再生医療等安全性確保法」という法律があり、自由診療であっても再生医療を行う医療機関は、治療計画を国に届け出る義務があるということです。つまり、国が定めた最低限の安全基準をクリアしているかどうかが一つの目安になります。もし再生医療を検討するなら、まずはその治療法が保険適用なのか自由診療なのか、そして自由診療の場合は、国にきちんと届け出がされている信頼できる医療機関なのかを、しっかりと確認することが後悔しないための第一歩です。