再生医療でこんな病気が治るかもしれない
再生医療という新しい技術で、私たちの未来はどう変わるのでしょうか。現在、世界中で研究が進められており、これまで諦めるしかなかった様々な病気やケガへの応用が期待されています。例えば、目の病気です。加齢などが原因で視野の中心が見えにくくなる「加齢黄斑変性」という病気は、iPS細胞を使った再生医療の臨床研究が世界で初めて行われた分野です。iPS細胞から作った網膜の細胞をシート状にして移植することで、失われた視力を取り戻そうという試みです。次に、心臓の病気です。心筋梗塞などで一度死んでしまった心臓の筋肉(心筋)は元には戻りません。そこで、患者さん自身の足の筋肉から取った細胞をシートにして心臓に貼り付け、心臓の働きを助ける治療法は、すでに日本で保険適用の医療として行われています。将来的にはiPS細胞から作った心筋細胞そのものを移植し、心臓のポンプ機能を根本から回復させる治療も期待されています。また、多くの人が悩んでいる膝の痛みにも再生医療は応用されています。すり減ってしまった膝の軟骨は、自然には再生しません。そこで、患者さん自身の血液や脂肪から細胞の成長を促す成分を取り出して膝に注射し、痛みを和らげたり軟骨の修復を助けたりする治療が、スポーツ選手などを中心に広まっています。他にも、パーキンソン病で失われた神経細胞を補充したり、脊髄損傷で麻痺した神経を再生させたり、糖尿病を治すために血糖値をコントロールする細胞を作ったりと、再生医療の可能性は無限に広がっているのです。